読んだ本
あさきゆめみし/大和和紀
あさきゆめみし新装版の全10巻読み終わりました。20数年ぶりの再読。
意外と内容は覚えていましたが、懐かしさと、感じ方や受け取り方の変化による新たな発見があって楽しいです。
物語の中では、医学が発展していないからか、物の怪や夢枕などが信じられていて、病を患うと物の怪が取り付いているのではないかと祈祷を行う場面が何度か出てきます。
これは平安時代がそういう時代だったんだなと思っていたのですが、源氏の君の中の後悔とかそういうものがつもりつもって物の怪として見えているんじゃないのかな。と読み返していて思いました。
帝の懐の深さとの対比でそう感じるのかもしれませんが、良くない出来事や不都合なことは他人事、物の怪の仕業という印象も受けました。
昔読んだ時は、恋愛面や人間関係に共感したりする事が多かったのに対し、今回は終活、、病や人生の終わりや出家などについて考える事が多かったです。
ある女性が体調不良になる場面で、30代後半で厄年だという様子が描かれていたけれど、こんな昔からこの年代で不調があらわれると思われていたんだなぁ。時代は変われども人の本来持って生まれるものは変わらないことを改めて認識。
死を意識してからの行動や、出家をしたいという気持ちと行動、来世の考えなど科学が発展した今では一般的ではないけれど、心にすとんと落ちてきました。
あとは紫の上と明石の君について。
最初は思い悩む様子が多かったけれど、姫君を通して相手の思いや苦悩をお互いが想像し、寄り添っていく所や2人の関係性が素敵だなと改めて思いました。
再来年2024年の大河は、紫式部が主人公の「光る君へ」と発表がありましたね。
この時代の出来事は書籍で見た一般的な事しか知らないので、藤原道真は一帝二后の印象が強いんですが、紫式部から見たドラマはどんな風に描かれるんだろう。
衣装なども含めて映像で見るのが楽しみです。
いつか現代訳版も読んでみたい…。
希望の糸/東野圭吾
図書館のオススメコーナーの所にあったので、久しぶりに東野圭吾さんの本を読みました。
東野圭吾さんは高校生くらいの時に、白夜行、手紙、幻夜、さまよう刃を読んだくらいかな…。
あとはガリレオシリーズやマスカレードホテルなどを映像作品でしか見ていません。
ミステリ小説だけど、人間の流動的な多面性の他、様々な問題について書かれている作品。
いくつかの事件や人間関係など複雑な糸が絡まりあって進んでいき、事件の真相とともに糸がほぐれていく中で、終盤に希望の糸が見えた時には涙が止まりませんでした。
今作では、加賀恭一郎という刑事が少し登場したんですが、この加賀恭一郎さんが出ている作品が加賀恭一郎シリーズとして何冊かあるようなので、1から順番に読んでみたくて図書館で予約しました。(東野圭吾さんは予約数が多いようでまだ連絡がこない。)
今さら東野圭吾にはまりそう。